沖合漁業とは?沿岸・遠洋との違いと漁獲量激減の真相を徹底解説
沖合漁業とは?沿岸・遠洋との違いと漁獲量激減の真相を徹底解説の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。
沖合漁業が抱える危機は、資源量の減少という「自然現象」にとどまりません。現場の漁労長や船主、港湾関係者への取材や業界調査資料からは、漁業経営の存続そのものを揺るがす経済的・人的プレッシャーが浮き彫りになります。
東北の主要漁港で大型まき網船団の船頭を務めるベテラン漁労長の手記や業界紙の証言には、極めてシビアな現実が記録されています。
「1回の航海で消費するA重油の燃料代は数百万円から1,000万円近くに達する。魚群探知機に反応が出ても、小魚や脂の乗っていない魚種ではセリ値がつかず、港に戻る燃料代だけで大赤字になる。かつてのように『出航すればするほど儲かる』時代は完全に終わった。いま船長に求められているのは、どれだけ網を入れずに確実な群れを仕留めるかという削り合いの判断だ」
インターネット上の漁業者コミュニティやSNS上でも、「船員の平均年齢が60歳を超えており、甲板員の後継者がまったく見つからない」「船体の建造から30年以上が経過したが、造船費用が数倍に跳ね上がり、新船を発注できる体力がない」といった切実な叫びが溢れています。
現在、沖合大型船団の労働力を支えているのはインドネシアやフィリピンなどからの外国人技能実習生・特定技能外国人材です。しかし円安の長期化に伴い、日本で働く経済的メリットが薄れ、他国への人材流出が現実化しています。魚が獲れないだけでなく、獲るための人間と船を維持できないという二重苦が、沖合の現場を音を立てて侵食しています。