「白と金」か「青と黒」か?世界を二分したドレス論争の真相と脳の錯覚

「白と金」か「青と黒」か?世界を二分したドレス論争の真相と脳の錯覚について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

実物が「青と黒」であるにもかかわらず、なぜ多くの人が頑として「白と金」に見えたのでしょうか。その核心にあるのが、人間の脳に備わっている色恒常性(しきこうじょうせい)という視覚メカニズムです。

人間は普段、赤いリンゴを朝の青白い光の下で見ても、夕方の赤い夕日を浴びて見ても「同じ赤いリンゴ」と認識できます。これは、目に入ってきた光情報から脳が無意識に「環境の照明光(光源)」を差し引いて、物体の本来の色を割り出す補正を行っているためです。

白金青黒ドレスの元画像は、露出オーバーで逆光気味、かつ光源が曖昧という極めて特殊な条件下で撮影されていました。この曖昧な情報に対し、脳がどのような前提を置くかで知覚が二手に分かれます。

  • 「白と金」に見える人の脳:写真全体が「青みがかった影や自然光の中にある」と無意識に推測。青い光の成分を脳内で差し引いて補正するため、ベースが白、レースが金色に見える。
  • 「青と黒」に見える人の脳:写真が「黄色っぽい人工照明(白熱灯など)に照らされている」と推測。黄色い光の成分を差し引いて認識するため、本来の青と黒に見える。

つまり、目の網膜の異常ではなく、「無意識に環境の光をどう解釈したか」という脳の高度な情報処理の違いこそが、見え方が分かれる決定的な理由でした。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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