ギブソンレスポールスタンダード検証|50S・60Sの違いと高騰の真相
ギブソンレスポールスタンダード検証|50S・60Sの違いと高騰の真相にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。
現行レスポール・スタンダードを購入する際、誰もが直面するのが「50s」と「60s」の選択である。両者は単なるカラーバリエーションの違いではなく、木工設計から電装系に至るまで明確なコンセプトの違いが存在する。
最も顕著な違いは、「ネックの太さとグリップ形状」である。50sは「Vintage 50s」と呼ばれるプロファイルを採用しており、1フレット付近の厚みが約22.8mm、12フレット付近では約25.4mmに達する。しっかりとした厚みと丸みを帯びた形状で、ローコードを親指で巻き込んで握り込むブルースやオールドロックのプレイスタイルで抜群の安定感を誇る。ネックの質量が大きいため、低音弦をピッキングした際のウッドトーンの厚みと剛性感は圧倒的だ。
対する60sは「Slim Taper(スリムテーパー)」プロファイルを採用しており、1フレット付近の厚みは約20.3mm、12フレット付近は約22.2mmと非常にスリムに仕上げられている。手の小さいアジア人ギタリストにも無理なくフィットし、ハイポジションへのアクセスや速いパッセージのフィンガリングにおいてストレスフリーな演奏性を約束する。
音色の心臓部であるピックアップの評価とマグネット素材の差異も見逃せない。50sには「Burstbucker 1(フロント)」と「Burstbucker 2(リア)」が搭載されており、磁石にはアルニコ2マグネットが用いられている。磁力がやや控えめなため、弦振動をスポイルせず、暖かみのあるミッドレンジと豊かな倍音、ピッキングの強弱に追従する枯れたヴィンテージトーンを出力する。
一方の60sには「Burstbucker 61R / 61T」がマウントされており、こちらはアルニコ5マグネットを採用している。高域のエッジが立ち、タイトに引き締まった低域とアタックの速さが際立つキャラクターだ。深く歪ませても輪郭が崩れず、ハードロックやモダンなアンサンブルの中でも埋もれない抜けるサウンドを容易に構築できる。
さらに外装パーツにも明確な差別化が施されている。50sはプラスチック製のキーストーンボタンを備えた「ヴィンテージ・デラックス・チューナー」と「ゴールド・トップハット・ノブ(ポインターワッシャー付き)」を装備し、ノスタルジックな黄金期の気品を放つ。一方の60sは、安定したチューニング精度と高重量でサステインを稼ぐ「Grover(グローバー)製ロトマチック・ペグ」と、上面にメタルプレートが埋め込まれた「リフレクター・ノブ」を採用しており、洗練されたモダンな風格を漂わせている。