都心で大繁殖!ワカケホンセイインコ野生化の真相と巨大ねぐらの脅威

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ワカケホンセイインコ(学名:Psittacula krameri)が日本の野外で初めて公式に記録されたのは、1969年の東京都練馬区とされています。当時は高度経済成長の只中にあり、エキゾチックペットブームの波に乗ってインドやスリランカから大量のインコが輸入されていました。

当時、色鮮やかな姿とおしゃべりの上手さから人気を博したものの、飼育を始めた飼い主たちを待ち受けていたのは予想以上の現実でした。金属音のような強烈な絶叫と、クルミの殻さえ容易に砕く強靭な嘴(くちばし)による家具の破壊です。手に負えなくなった飼い主による遺棄や、ケージの隙間から逃げ出す個体が相次ぎました。

本種が野生下で生き残った決定的な理由は、その驚くべき環境適応力にあります。ワカケホンセイインコは熱帯雨林だけでなく、原産地ではヒマラヤ山脈の標高2,000メートル近い寒冷な高地にも分布しています。つまり、もともと厳しい寒さに耐えうる生理機能を備えていたのです。これに加えて、都心部特有のヒートアイランド現象が冬の寒さを緩和し、越冬のハードルを劇的に下げました。

さらに、都市部にはカラスやタカなどの天敵が少なく、神社仏閣の社叢(しゃそう)や大学キャンパス、公園、街路樹には、イチョウの銀杏、桜の果実や新芽、ツバキの蜜といった高カロリーな食物が一年中豊富に存在します。都心は彼らにとって、まさに生存競争の少ない「楽園」だったわけです。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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