ビジネスで聞く「色をつける」の意味とは?語源と交渉の作法を解説
ビジネスで聞く「色をつける」の意味とは?語源と交渉の作法を解説とはどのようなものなのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
この表現は昭和の商人言葉や現代の業界用語だと思われがちですが、そのルーツは驚くほど古い時代に存在します。色を付ける 語源 由来を歴史的文献で追跡すると、初出記録として名高いのが室町時代末期、大永七年(1527年)の『東寺百合文書』に収められた公卿・三条西公条の書状です。
書状の中には「両方色をつけ、又堪忍の心中無レ之候者、難二成立一候」(双方が互いに色を付け、忍耐や譲歩の気持ちを持たなければ、物事は到底成立しない)という記述が明確に残されています。戦国乱世の幕開けとなった激動の時代において、すでに「互いに相手を思いやって条件を譲歩する」という意味合いで「色をつける」が使われていた事実は特筆すべき点です。
日本語における「色」という単語は、視覚的な色彩(赤や青)だけでなく、「色気」「気配」「情愛」「情け」など、目に見えない心の動きを表す多面的な言葉として発展してきました。そこに「付加する」という動作が結びつき、無機質な契約に人間味や温情を添える言葉として定着したと考えられます。
なお、地方の年配者が使うケースが多いため「色をつける 方言 俗語ではないか」と疑問を持つ方も少なくありません。しかし実際には、室町から江戸期の上方・江戸の商人町で広く受け継がれ、明治以降の商取引を通じて全国に波及した標準的な慣用表現であり、特定地域の方言には該当しません。