近松門左衛門の代表作徹底解説!曽根崎心中から心中物禁止の真相まで

近松門左衛門の代表作徹底解説!曽根崎心中から心中物禁止の真相までに関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

近松門左衛門が後世の文芸批評家に決定的な影響を与えたのが、友人である儒学者・穂積以貫(ほづみいかん)が聞き書きとして遺した『難波土産(なにわみやげ)』に記されている「虚実皮膜論(きょじつひまくろん)」です。近松の芸術観を一言で表すこの論理は、以下のように説明されています。

「芸といふものは実と虚との皮膜の間に有るもの也。実にして実にあらず、虚にして虚にあらず、此間におもしろきが有る也」 (芸術というものは、事実と虚構の薄皮一枚のすき間にある。完全な現実でもなく、完全な作り話でもない。そのあいだにこそ、人の心を打つ面白さがあるのだ)

近松は、ある女性が「亡くなった夫の肖像を木彫りでそっくりそのまま忠実に作らせたが、あまりにも本物に似すぎてかえって気味が悪く、部屋に置けなくなった」という実話を引き合いに出しています。人間を忠実に写実(コピー)しすぎると、かえって冷たく不気味なもの(現代でいう「不気味の谷現象」)に陥る。かといってデタラメな嘘ばかりでは、観客は感情移入できない。

舞台上の人形に血を通わせるには、「現実を巧みに模倣しながらも、虚構というスパイスを薄皮一枚だけまぶす」ことが不可欠である――。この近松のリアリズム理論は、300年後の現代における映画制作、ドラマ脚本、小説作法においてもそのまま通用する普遍的なクリエイティブの法則です。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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