比例代表で個人名を書くと無効?衆院・参院の決定的な違いと投票の正解
比例代表で個人名を書くと無効?衆院・参院の決定的な違いと投票の正解についての真相を徹底解説します。
比例代表で投じられた票がどのように国会議員の議席へと変換されるのか、その核心にあるのが比例代表ドント式計算方法です。19世紀のベルギーの法学者ヴィクトル・ドントが考案したこの配分方式は、各政党の総得票数を「1、2、3、4、5……」という整数で順に割っていき、得られた商(割り算の答え)の大きい順に定数まで議席を割り振る仕組みとなっています。
例えば、ある比例ブロックの定数が「5議席」で、3つの政党が争ったと仮定します。A党が12万票、B党が8万票、C党が4万票を獲得した場合、各党の得票を整数で割った数値は以下の通りに推移します。
- 1で割った値: A党=120,000(第1議席)、B党=80,000(第2議席)、C党=40,000(第4議席)
- 2で割った値: A党=60,000(第3議席)、B党=40,000(第5議席)、C党=20,000
- 3で割った値: A党=40,000、B党=26,666、C党=13,333
商の大きい順に並べると、第1位(A党:12万)、第2位(B党:8万)、第3位(A党:6万)、第4位(C党:4万)、第5位(B党:4万)となります。※数値が同数の場合は公職選挙法に基づき開票現場での「くじ引き」によって配分が決定されます。結果として、A党が2議席、B党が2議席、C党が1議席を獲得する着地となります。
議席数が決まった後の比例代表得票順位の決まり方において、衆院選特有の現象として激しい議論を呼ぶのが比例代表復活当選の仕組みです。衆院選では小選挙区と比例代表の重複立候補が認められており、多くの政党が小選挙区の候補者を「比例名簿の同順位(例えば全員1位など)」に一括登録します。このとき、小選挙区で敗れた候補者同士の当落を分ける指標が「惜敗率(せきはいりつ)」です。
惜敗率は「小選挙区での自分の得票数 ÷ 当選者の得票数 × 100(%)」で算出されます。小選挙区でわずか数百票差で敗れた候補者は惜敗率が98%や99%に達し、名簿上位へと繰り上がって比例復活を果たします。有権者の目には「小選挙区で落選させたはずの政治家が比例で蘇るゾンビ議員」と映りがちですが、制度設計上は「政党への支持票をドント式で配分した議席を、選挙区で最も善戦した候補者に還元する」という合理性に基づいています。