突然脈が飛ぶ心房細動の正体!自覚症状なき脳梗塞危機と最新治療法
突然脈が飛ぶ心房細動の正体!自覚症状なき脳梗塞危機と最新治療法にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
心房細動が発生しているとき、心臓の司令塔である洞結節からの正常な電気信号は無視され、心房内を毎分400〜600回という異常に速い無秩序な電気興奮が旋回しています。このとき、心房はポンプとして機能しておらず、まるで水風船が細かく震えているような痙攣状態に陥っています。
心房が正常に収縮しない結果、左心房の一部である「左心耳(さしんじ)」という袋状の組織に血液が激しく鬱滞します。淀んだ水が濁るように、滞留した血液は急速に固まり、ゼリー状の血栓(血の塊)へと姿を変えます。この血栓が血流に乗って心臓から打ち出され、頚動脈を経て脳の主幹動脈にスポンと詰まる現象こそが「心原性脳塞栓症」です。
動脈硬化が原因で徐々に血管が細くなる通常の脳梗塞とは異なり、心房細動由来の塞栓は前触れなく太い血管を突然閉塞させます。そのため、脳の広範囲が一瞬にして壊死し、「心房細動による脳梗塞の予防」を怠った患者は、失語や半身麻痺、昏睡といった重篤な状態へと即座に追い込まれます。日本脳卒中データバンクの蓄積データを見ても、心原性脳塞栓症は他の脳梗塞に比べて死亡率が約20%と極めて高く、発症前の自立生活に復帰できる人は全体の3割程度にとどまります。これが、循環器専門医が「脈の乱れを絶対に放置してはならない」と警鐘を鳴らし続ける最大の理由です。