彫り師の給料と年収の実態|見習い無給から1000万超の稼ぎ方
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彫り師を志す者の前に最初に立ちはだかるのが、徒弟制度の分厚い壁です。専門学校や公的な養成機関が存在しないタトゥー業界において、技術を習得するための主流ルートは今なお「スタジオへの弟子入り」となっています。
残酷な現実として、彫り師の見習い期間中の給料は基本的に「無給(0円)」です。スタジオによっては見習い手当として月数万円が支給されたり、スタジオ雑務の対価として微小な報酬が出る例外もありますが、基本姿勢は「技術を無償で教えてもらう立場」とみなされます。むしろ、道具代やインク代、衛生講習の受講費などを自己負担するため、毎月のキャッシュフローは大幅なマイナスに陥ります。
現場における彫り師の弟子入り期間は、一般的に1年半から3年程度に及びます。この期間中、弟子に課される日課は過酷を極めます。
- スタジオの徹底的な清掃・除菌作業
- 施術ベッドのセッティングと使用済み機器の滅菌処理
- 師匠の針作りやマシンのメンテナンス補助
- 何千枚にも及ぶ下絵(フラッシュ)の模写・デッサン練習
- 人工皮膚や豚皮を用いたマシン操作の基礎訓練
「昼間はスタジオで10時間以上の雑用とデッサンに追われ、深夜から早朝にかけてコンビニや解体現場、バーなどで夜勤アルバイトをして家賃と食費を稼ぐ」という二重生活が日常茶飯事です。極度の睡眠不足と経済的困窮から、本格的にマシンを握って顧客を彫る前に7割以上の若者が夢を諦めて去っていきます。この徒弟制度特有の構造的負荷を乗り越えられるだけの強靭な肉体と精神力、あるいは当面の生活を支えるまとまった貯金がなければ、スタートラインに立つことすら叶いません。