皆勤手当とは?有給減額の違法性と残業代計算の落とし穴【2026】
皆勤手当とは?有給減額の違法性と残業代計算の落とし穴【2026】について分かりやすく解説いたします。詳細な分析をチェックしてください。
企業側・労働者側の双方が最も見落としがちなのが、残業代計算と皆勤手当の密接な関係です。給与担当者ですら「皆勤手当は基本給ではないから、残業代の計算には含めなくてよい」と誤認しているケースが散見されますが、これは重大な法律違反です。
労働基準法37条および同法施行規則21条では、割増賃金の算定基礎除外として認められる賃金を以下の7種類に限定しています。
- 家族手当(扶養手当)
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金(結婚祝金など)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
ご覧のとおり、法定の除外賃金リストの中に「皆勤手当」は一切含まれていません。どれほど企業独自の手当であっても、法律で限定列挙された7項目以外の賃金は、すべて残業代計算の基礎単価に算入しなければならないのです。
もし皆勤手当を除外して割増賃金を計算していた場合、過去に支払われた残業代はすべて過少計算となり、未払い残業代(差額分)が発生します。労働基準法違反(懲役または罰金)の対象となるだけでなく、退職者を含めた従業員から過去3年分(将来的には5年分)の未払い賃金を遡及請求される重大な経営リスクに直結します。
なお、皆勤手当の社会保険料対象についても同様です。健康保険・厚生年金保険の「標準報酬月額」を算出する際、皆勤手当は労働の対償として支払われる賃金であるため、全額が算定対象に含まれます。「皆勤手当を増やして基本給を下げ、社会保険料を安く抑える」といった手法は通用しません。