認知症を公表した芸能人の今|闘病の激変と家族が選んだ道の真相
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テレビ番組の密着取材や自著、家族による記者会見を通じて認知症を公表した芸能人たちの背景には、それぞれ異なる病型と過酷な病状の推移が存在します。なかでも世間に最も大きな衝撃と共感を与えたのが、漫画家でタレントの蛭子能収氏のケースです。
蛭子氏は2020年7月に放送された医療系バラエティ番組の検査において、「レビー小体型認知症」と「アルツハイマー型認知症」の合併症であることを公表しました。番組のロケ中、スタッフの指示や直前の会話が頭から抜け落ち、公の場で見せた表情の翳りに視聴者からも心配の声が相次いでいた時期でした。妻の手記や関係者の証言によると、公表当初は自らの記憶の抜け落ちに苛立ちや困惑を見せていたものの、現在は専門のデイサービスに通いながら、無理のない範囲で大好きな麻雀や絵を描く創作リハビリを継続しています。かつてのような目まぐるしいバラエティ出演からは一線を退いたものの、穏やかな表情を取り戻し、家族と福祉スタッフの協働体制に守られた療養生活を送っています。
また、アニメ『ドラえもん』の声優として国民に愛された故・大山のぶ代氏の闘病劇は、介護に直面する日本社会へ極めて重い教訓を残しました。2015年5月、夫の砂川啓介氏(2017年逝去)がラジオ番組で大山氏のアルツハイマー型認知症を公表。自著『娘になった妻、のぶ代へ』のなかで砂川氏は、火の始末ができなくなり、排泄の失敗に戸惑い、最愛の夫の名前すら認識できなくなっていく妻を前に「愛する人が壊れていく恐怖で胸が張り裂けそうだった」と吐露しています。料理研究家としても知られた大山氏が包丁の握り方すら忘れていく日常の激変は、誰もが逃れられない認知症の容赦なさを浮き彫りにしました。
さらに、大女優の故・朝丘雪路氏も晩年にアルツハイマー型認知症を発症。夫の津川雅彦氏(2018年逝去)は、妻の尊厳を守るため生前は公表を控えていましたが、朝丘氏の逝去後の会見で「僕のこともわからなくなっていたが、昔の歌を歌いかけると少女のように微笑んでくれた。全てを僕に委ねてくれた幸せな最期だった」と涙ながらに語りました。栄光のスポットライトを浴びたスターたちも、病の前では一人の生活者であり、家族の支えなくしては日常を維持できない現実を如実に示しています。