筋肉痛がこないのは筋トレ効果なし?筋肥大の真相と正しい強度設定
筋肉痛がこないのは筋トレ効果なし?筋肥大の真相と正しい強度設定の詳細について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
フィットネス情報が氾濫するインターネット上には、今なお科学的根拠を欠いた俗説が根強く残っています。なかでも多くの人を惑わせている2大誤解を解体します。
「超回復のウソホント」神話の解体
「筋トレ後は48〜72時間の完全休養をとることで超回復が起き、筋肉が以前より大きくなる」という理論を耳にしたことがあるはずです。しかし、この古典的な超回復のウソホントを精査すると、現代のスポーツ科学では大幅に修正されています。
現在主流となっているのは「フィットネス-疲労理論(Fitness-Fatigue Model)」です。トレーニング後は「運動能力(フィットネス)」の向上と同時に「疲労」が蓄積します。疲労が抜けるにつれて向上した能力が表面化するのであり、単に「筋肉痛が完全に消えるまで寝て待つ」ことが最善とは限りません。むしろ、血流を促すアクティブリカバリーを取り入れ、適正な頻度(週2回程度)で同一部位を刺激するほうが、筋タンパク質合成のサイクルを高く維持できることが分かっています。
「筋肉痛こない老化説」の科学的真偽
「年をとると筋肉痛が2日後や3日後に遅れてやってくる」「歳をとったから筋肉痛すらこなくなった」という言説は、飲み会や雑談の定番ネタです。いわゆる筋肉痛こない老化説ですが、運動生理学的な実験において、加齢そのものが痛みの発生速度や痛覚伝達を遅延させるという確固たるデータは存在しません。
痛みが遅れてくるように感じる主原因は、年齢ではなく「運動強度の絶対的な低さ」や「日常活動量の変化」です。強烈なエキセントリック負荷をかければ、20代でも50代でも翌日には等しく激しい痛みが生じます。中高年になって痛みが来にくくなったと感じる場合、無意識に関節を守る防衛本能が働き、限界の手前で動作を止めているか、日常の血流動態が変化していることが大半です。「年だから痛まない」と結論づけるのは早計です。