浄土真宗の初盆お布施相場はいくら?白提灯不要の理由と作法全解説
浄土真宗の初盆お布施相場はいくら?白提灯不要の理由と作法全解説について詳しく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
他宗派の初盆では、故人の霊が初めて家に帰ってくる際に迷わないよう、玄関や軒先に「家紋入りの白提灯」を吊るすのが通例です。盆提灯のカタログや葬儀社の案内にも白提灯の購入が推奨されているため、疑問を持たずに購入してしまう家庭が少なくありません。しかし、浄土真宗において白提灯は完全に不要とされています。
「往生即成仏」がもたらす他宗派との死生観の決定的な差
なぜ浄土真宗では白提灯を飾らないのか。その理由は、宗祖・親鸞が説いた「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」の教義にあります。
他宗派(天台宗、真言宗、浄土宗、曹洞宗など)の多くでは、人は死後四十九日を経てあの世へ旅立ち、お盆の時期になると冥土から現世の我が家へ一時的に帰還すると考えられています。そのため、暗い夜道で迷わないための目印として「白提灯」を掲げ、キュウリの馬やナスの牛(精霊馬)を作って霊を送り迎えするのです。
対照的に浄土真宗では、阿弥陀如来を信じる心定まった者は、肉体の死と同時に阿弥陀如来の本願力によって直ちに極楽浄土へ往生し、仏になると説きます。霊魂となって現世をさまよったり、年に一度現世に戻ってきたりするという概念自体が存在しません。「帰ってくる霊が存在しない以上、道しるべとしての白提灯や迎え火・送り火は教理上あり得ない」というのが白提灯不要の理由です。
初盆の提灯飾りはどうする?切子灯籠と絵柄提灯の正しい位置づけ
では、浄土真宗では提灯を一切飾ってはいけないのでしょうか。ここにも多くの誤解が存在します。
仏壇の周囲を華やかに荘厳(しょうごん:美しく飾り付けること)し、仏徳を讃える目的であれば、提灯を飾ること自体は禁じられていません。伝統的な作法としては、金箔や透かし彫りが施された多角形の「切子灯籠(きりことうろう)」を仏壇の左右に一対吊るすのが正式です。ただし、近年は住宅事情(現代的なリビングやコンパクトな都市型仏壇)を考慮し、場所を取る切子灯籠の代わりに、秋草や蓮の絵が描かれた回転灯付きの置き提灯を仏壇脇に飾る家庭も増えています。
あくまで「仏様の世界の光」を象徴する装飾具として灯すものであり、故人を招くための目印ではないという本質を理解しておくことが肝要です。