味の素の事件とは何だったのか?歴代不祥事の真相と風評被害の全貌
味の素の事件とは何だったのか?歴代不祥事の真相と風評被害の全貌について分かりやすく解説いたします。詳細な分析をご覧ください。
事件という言葉の裏には、科学的事実に基づかない「MSG(グルタミン酸ナトリウム)風評被害の歴史」も深く関わっています。その発端となったのが、1968年にアメリカの医学誌『New England Journal of Medicine』に掲載された一通の投書でした。
「中華料理店で食事をした後、首の後ろのしびれや動悸、脱力感が生じた」という個人の体験談が、いつしか「チャイニーズレストラン症候群(CRS)」と名付けられ、MSGが有害物質であるかのような誤った報道が世界中に拡散されたのです。これに当時の欧米における反アジア感情や、自然志向ブームが拍車をかけました。
しかし、その後の厳密な二重盲検比較試験によって、MSGと諸症状の間に因果関係は存在しないことが明確に立証されています。WHO(世界保健機関)やFAO(国連食糧農業機関)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)、さらにはアメリカ食品医薬品局(FDA)も、MSGの一日許容摂取量(ADI)を「特定せず(制限不要の極めて高い安全性)」と認定しました。根拠のないデマが数十年にもわたって定着してしまった典型例といえます。