なぜ絵が平面的に?風景画の描き方とプロが教える劇的上達の基本手順
なぜ絵が平面的に?風景画の描き方とプロが教える劇的上達の基本手順についての疑問解決ガイドをご紹介します。
支持体の上に空間を立ち上げるためのプロセスは、採用する画材の物理的特性によって根本から異なります。透明度、乾燥速度、混色の特性を理解せずに描くことは、ルールの異なる競技を同じ戦術で戦うようなものです。以下の比較表は、主要な4つの画材における技法特性とコスト感、そして成否を分ける着色プロセスの違いを体系化したものです。
着手する画材によって風景画色塗りの順番が大きく異なる点は、絶対に押さえておくべきポイントです。特に水彩風景画の描き方では、一度濃い色を塗った箇所を白く戻すことができません。そのため、空のグラデーションや光の当たる水面など「最も明るい遠景」から塗り進め、徐々に手前の中景、近景の暗がりへと筆を運ぶ必要があります。
これに対し、アクリル画風景初心者が成功を収めやすい理由は、乾燥後に耐水性となり、上から別の色を完全に塗り重ねられる隠蔽力にあります。背景の空を全面に塗って乾かしたあと、その上に遠山を置き、さらに手前に木立を重ねていくという「現実世界のレイヤー構造」をそのまま画面上にトレースできるため、空間把握の直感的な訓練に適しています。
油彩風景画の技法詳細に目を向けると、プロの現場ではキャンバスの白さを消すために茶褐色系の薄い油絵具を全体に引く「インプリミトゥーラ」が重宝されます。画家の落合真由美氏らの技術論でも語られる通り、中明度の地色を作ってから暗部を置き、最後にハイライトの厚塗りを施すことで、深みのある空気感を閉じ込めることが可能になります。
また、iPadアプリ「Procreate」や「CLIP STUDIO PAINT」を駆使したデジタル風景画メイキングでは、大気遠近法をレイヤーの不透明度や「乗算」「加算・発光」レイヤーによって物理的にシミュレーションできます。遠景レイヤーにわずかなガウスぼかしを適用し、中景・近景と段階的にコントラストを強めていくワークフローは、デジタルならではの圧倒的な制作スピードと表現精度をもたらします。