韓国語「ウリ」の真実|なぜ「私の母」を私たちと呼ぶのか徹底解剖
韓国語「ウリ」の真実|なぜ「私の母」を私たちと呼ぶのか徹底解剖の特集記事をお届けします。専門的な知識が詰まっています。
日本人が韓国語を学ぶ過程で、SNSや語学コミュニティで頻繁に紛糾するのが「パートナーの呼び方」です。既婚女性が夫を紹介する際、韓国では「ウリナンピョン(우리 남편:私たちの夫)」という表現が当たり前のように使われます。これに対して、日本のネット掲示板や知恵袋などでは「一夫多妻制ならぬ一妻多夫制なのか?」「家族全員の共有物なのか」といった困惑交じりの投稿が絶えません。
ソウル市内の語学堂で長年教鞭を執るベテラン講師陣の手記や現地指導の証言によると、ここにも日本と韓国の「家族観の乖離」が如実に現れています。韓国人にとって夫とは、妻個人と法的な契約を結んだパートナーであると同時に、「ウリチプ(家族共同体)の大黒柱・構成員」として迎え入れられた存在です。したがって、「我が家の夫」というニュアンスで「ウリナンピョン」と呼ぶのが極めて自然なのです。むしろ一人称単数で「ネ ナンピョン」と言ってしまうと、まるで夫を私有物のように扱っている傲慢な印象を与えかねません。
さらに実務上で最大のトラップとなるのが、韓国語ウリの使い方と注意点です。日本語では、社外の取引先に対して自分の会社を「弊社」「わたくしども」とへりくだって呼びます。これを韓国語に直訳する際、無意識に「ウリフェサ(우리 회사)」と言ってしまう学習者が後を絶ちません。しかし、韓国の国立国語院が定める敬語規範において、社外の顧客や目上の取引先に対して「ウリ」を使うことは、相手を集団から除外した上で自分たちを対等以上に立てる「不敬な表現」とみなされます。公式なビジネスの場では、必ず謙譲表現である「チョヒ(저희)」を用い、「チョヒ フェサ(저희 회사)」と表現しなければなりません。