【沙石集】現代語訳とあらすじ総まとめ!教科書頻出話の教訓と文法

【沙石集】現代語訳とあらすじ総まとめ!教科書頻出話の教訓と文法に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

高校の教科書で最も多く採録されるエピソードの一つが、巻第七に収められた「妻の嫉妬(嫉妬の妻)」です。人間の心の奥底にある執着と嫉妬心が、いかに身を滅ぼすかを如実に物語っています。

【原文のあらすじ】
ある男が、正妻のあまりに激しい嫉妬に耐えかね、別の愛人のもとへ通い詰めていました。妻の怒りは日に日に増狂し、男の持ち物や着物をずたずたに切り刻むなど常軌を逸した行動に出ます。恐れをなした男が逃げ隠れると、妻は夜な夜な髪を振り乱し、鏡に向かって自らの恐ろしい形相を睨みつけ、ついには怨霊や鬼のような姿へと変貌して息絶えてしまいます。

【現代語訳(ダイジェスト)】
「ある人の妻が、極めて嫉妬深い性格であった。夫がほかの女性と親しくしているのを知ると、激しい怒りに任せて家財を壊し、夫の着物を切り裂いた。夫が逃げ出して寄り付かなくなると、妻の嫉妬はますます狂気じみ、ついには食事も喉を通らなくなった。夜更けに鏡を覗き込んでは『この恐ろしい顔を見てみろ、これもお前のせいだ』と夫を呪い、その執念の凄まじさゆえに、生きながらにして鬼の姿となり命を落としてしまったのである。」

【無住道曉が説く教訓と心理描写】
この話において無住は、単に「妻が悪者である」と断罪しているわけではありません。仏教において嫉妬(三毒の煩悩の一つである「瞋恚(しんに / 怒り)」)がどれほど人の心を狂わせ、自分自身を焼き尽くしてしまうかという心理の深淵を警告しています。他者への執着を手放せない苦しみは、誰の心にも潜む普遍的な弱さであると無住は説いています。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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