なぜ信じてしまうのか?結婚詐欺師の手口と危険な嘘を見抜く技術
なぜ信じてしまうのか?結婚詐欺師の手口と危険な嘘を見抜く技術について分かりやすく解説いたします。最新の情報をご覧ください。
ネット上の情報やSNSの法律相談アカウントでは、「借用書さえ書いてもらえば詐欺師を捕まえられる」「警察に駆け込めばすぐに動いてくれる」という楽観論が散見されます。しかし、実際の刑事司法実務におけるハードルは極めて高いのが現実です。
刑法において「結婚詐欺罪」という個別の構成要件は存在せず、問われるのは刑法第246条第1項の「詐欺罪(10年以下の懲役)」です。詐欺罪の立件には、「財物を受け取った時点で、最初から騙す意図(欺罔の意図)があったこと」を検察が公判で立証できなければなりません。相手が「本気で結婚するつもりだったが、事業に失敗して返せなくなっただけ」「借りた金は少しずつでも返すつもりだった」と弁解した場合、警察は「個人の金銭貸借トラブル=民事不介入の原則」として被害届の受理に極めて慎重になります。
むしろ、下手に借用書(金銭消費貸借契約書)を1通作成したばかりに、「単なる民事上の債権債務関係」と評価され、刑事事件化が遠のくケースすら存在します。結婚詐欺を法的に追求するためには、借用書の有無以上に「語っていた肩書き、年収、勤務先、独身であるという主張が虚偽であった客観的証拠」をどれだけ固められるかが勝負を分けます。