昔の電話はどう動く?黒電話の仕組みと現在も使える理由・買取相場

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世代によって「昔の電話」と聞いて思い浮かべる風景は大きく異なります。昭和後期に普及したダイヤル式電話しか知らない世代がいる一方で、戦前・戦後の手動交換時代を肌で知る世代にとっては、電話とは「まず相手の前に交換手を呼び出すもの」でした。

電話の歴史における操作手順と通話スタイルの劇的な変遷を振り返ると、通信技術が人々のコミュニケーション作法をいかに規定してきたかが鮮明になります。

1. 磁石式手動電話機:ハンドルを回して「交換手」を呼び出す時代

明治から昭和初期にかけて主流だった磁石式手動電話機は、本体横に付いたクランクハンドルを手動で勢いよく回すことで内部の小型発電機(磁石発電機)を作動させ、電話交換局のランプを点灯させる仕組みでした。受話器を耳に当てて待つと、局の電話交換手が「はい、〇〇交換局です」と応答します。発信者はそこで「日本橋の〇〇番をお願いします」と口頭で伝え、交換手が手作業でプラグを相手の回線ジャックに差し込むことで初めて通話が成立しました。

当時の交換手の手記や逓信省の記録資料によると、ピーク時の交換台は目まぐるしいコードの抜き差しと番号の復唱が飛び交う過酷な現場であり、長距離通話ともなれば複数の交換局を経由するため、つながるまでに数十分から数時間を要することも珍しくありませんでした。

2. ダイヤル式電話(黒電話)の使い方:指を回して戻る「間」の美学

大正末期から昭和にかけて自動交換機が導入されると、登場したのが円形の回転ダイヤルを備えたダイヤル式電話です。その代表格が、日本電信電話公社(電電公社)が開発した「4号電話機」や、耐久性と明瞭度を極限まで高めた傑作「600形電話機」に代表される黒電話でした。

昔の電話の使い方は極めて物理的です。受話器を持ち上げると「ツー」という発信音(ダイヤルトーン)が聞こえます。ダイヤル盤の数字の穴に人差し指を入れ、時計回りに「指止め金具」にカチリと当たるまで回し、指を抜きます。するとスプリングの力でダイヤルが一定速度で逆回転し、内部の接点が断続的に回路を開閉して「カチカチカチ」というパルス信号(ダイヤルパルス)を発信機へ送り出します。これを局番から一桁ずつ繰り返すことで、交換機が宛先の電話機を自動で特定してベルを鳴らしました。

3. 街頭のランドマーク:赤電話から始まった昔の公衆電話

家庭への電話普及率がまだ低かった昭和30年代〜40年代、街のタバコ屋や駅前に設置された昔の公衆電話は庶民の生命線でした。店頭に置かれた鮮やかな「赤電話(後にはピンク電話)」に10円玉を投入し、ダイヤルを回して通話しました。1970年代以降は長距離通話に対応した大型の「黄電話」や「青電話」が登場し、10円玉がけたたましい音を立てて連続投入口へと吸い込まれていく光景は、昭和の日常風景そのものでした。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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