エリクソンの発達課題8段階を全解剖|人生の危機を乗り越える処方箋

エリクソンの発達課題8段階を全解剖|人生の危機を乗り越える処方箋を徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を分かりやすく展開します。

「なぜ、ある年代になると急に生きづらさを感じるのか」「なぜ家族との衝突が繰り返されるのか」。読者が直面する悩みの深層を探ると、エリクソンが指摘した「前段階の宿題の未消化」によるドミノ倒し現象が浮き彫りになります。

典型的な例が、青年期における「自我同一性(アイデンティティ)の確立」と初期成人期の「親密性」の関係です。アイデンティティとは、「自分は何者であり、どこへ向かおうとしているのか」という自己の一貫性と、それが社会から承認されているという確信を指します。この基盤が脆弱なまま大人になると、他者と深く関わろうとする際に「相手に自己を乗っ取られてしまうのではないか」という無意識の恐怖が生じます。その結果、恋人や友人、職場の同僚と深い情動のやり取りができず、防衛的に自らを閉ざす「孤立」へと追いやられます。

さらに深刻なつまずきは、壮年期の「生殖性(Generativity:ジェネラティビティ)」で生じます。これは単に生物学的な子どもをもうけることだけを指すのではなく、次世代を育成し、文化や技術、組織の理念を後世に継承していく関心を意味します。厚生労働省の各種意識調査でも示される通り、中堅層が直面するキャリアの踊り場や意欲減退は、まさに「停滞(Stagnation)」の典型です。自分自身の損得や承認欲求ばかりに意識が向かい、他者の育成や社会貢献へと視点がシフトできない場合、人は深い虚無感とナルシシズムの袋小路に迷い込みます。

そして最終段階である老年期において直面するのが、「自我の統合対絶望」の葛藤です。肉体の衰え、社会的地位の喪失、親しい人々との死別が不可避となる中で、これまでの人生を「これでよかったのだ」と肯定できるかどうかが問われます。それまでの各段階で多くの未解決課題を残したまま老年期を迎えると、「人生をやり直したいが、もう時間がない」という痛切な「絶望」に苛まれることになります。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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