ちびまる子ちゃんの顔はなぜ激変した?青ざめ顔の真相と作者の素顔

ちびまる子ちゃんの顔はなぜ激変した?青ざめ顔の真相と作者の素顔について知っておくべき ポイントを厳選して解説いたします。

本作を語る上で欠かせないのが、気まずい空気や絶望的なシチュエーションで登場するちびまる子ちゃんの青ざめ顔です。顔の上半分が青紫色に染まり、額から頬にかけてスッスッと無数に入る黒い縦線。このちびまる子ちゃん縦線表情の真相は、原作者であるさくらももこ先生の卓抜した表現感覚から生まれた、日本漫画界における一大イノベーションでした。

従来の少女漫画や少年漫画において、ショックを表す表現といえば「白目になる」「大きな汗マークが飛ぶ」「頭上に雷が落ちる」といった記号が主流でした。しかし、日常の些細な恥ずかしさや、世間話の途中で生じる「なんとも言えない気まずい沈黙」を表現するには、それらの手法は大げさすぎたのです。そこでさくら先生は、自著のエッセイや初期作品において、能面のように固まった顔へ機械的に縦線を引く演出を考案。アニメ化の際には、音響効果である「ガーン」という脱力した鐘の音やギターの不協和音とともに演出され、視覚と聴覚が一体となった画期的な感情表現として定着しました。

この演出はまる子本人にとどまらず、藤木くんの卑怯な青ざめ顔、永沢くんの皮肉めいた暗黒面、野口さんの不気味な笑みといったちびまる子ちゃんの顔芸の数々へと発展していきます。一方で、初期には視聴者の子どもたちを震え上がらせたちびまる子ちゃんの顔が怖いシーンも存在しました。第1期第87話「まるちゃん めざまし時計を買う」の巻や、夢の中で奇妙な仮面をかぶった人物たちと踊るシュールレアリスム全開の描写など、大人の深層心理の恐怖を抉るような実験的な表情描写は、今なおファンの間で語り草となっています。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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