ムカデに似た虫の正体とは?ヤスデ・ゲジゲジの見分け方と毒性・撃退法
ムカデに似た虫の正体とは?ヤスデ・ゲジゲジの見分け方と毒性・撃退法とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
インターネット上の検索トレンドや画像掲示板を見ると、ムカデに似た足の多い虫に対して極端な恐怖と誤解が定着している現状が見て取れます。ここで、専門家視点から代表的な2つのネット神話を是正しておきます。
誤解1:「ゲジゲジは毒を持っていて危険だから見つけたら即殺処分すべき?」
これは完全な誤りです。古くから「ゲジゲジに噛まれると腐る」などという根拠のない民間伝承が一部で囁かれていましたが、学術的・衛生昆虫学的には「人家に現れる最も優秀な益虫のひとつ」と定義されています。ゲジゲジの主食は、人間の生活空間に深刻な病原菌を媒介するクロゴキブリやチャバネゴキブリの幼虫、シロアリ、ダニ、トコジラミです。
視覚・触覚が極めて発達しており、人間が少しでも動けば自ら全速力で逃走します。自衛のために噛みつくケースも極めて稀で、毒腺から出る毒も人間にはほとんど作用しません。海外の昆虫学者の中には「ゲジゲジが1匹家にいることは、無毒の自動ゴキブリ駆除ロボットが巡回しているのと同じ」と評価する声もあるほどです。外見の異様さを受け入れられるのであれば、無理に殺さず屋外へ誘導するのが自然の摂理に適った選択と言えます。
誤解2:「ムカデもヤスデも、見つけたら新聞紙やスリッパで叩き潰せばいい?」
絶対に避けるべきNG行動です。ヤスデを物理的に強く踏み潰したり叩いたりすると、体内の臭腺が破壊され、強烈な毒性化学物質(ベンゾキノン・シアン化合物)が霧状に飛散します。この悪臭は何日も床や壁に染み付いて取れないだけでなく、気化した成分を至近距離で吸い込むと喉の痛みや吐き気を催し、アレルギー反応を誘発するリスクがあります。
また、ムカデの場合も叩き潰すのは危険です。頭部を確実に粉砕しない限り、反射運動で死に際に毒牙を振り回し、靴底や布を貫通して足を噛まれる事故が多発しています。さらに、ムカデの体液に含まれる特有の匂い物質が同種の仲間を引き寄せるという説もあり、叩き潰す処理はデメリットしかありません。