室町から紡ぐ虎屋の真価とは?初公開の製造現場に迫る革新の全貌

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今回、報道陣にこれまで頑なに閉ざされてきた羊羹の煉り場(ねりば)の深部が、メディア初公開として特別に開かれた。張り詰めた空気の中、巨大な銅釜から立ち上る真っ白な蒸気が天井へと吸い込まれていく。熱気と緊張感。釜の前に立つ職人の腕には、わずかな迷いもない。

機械化が進む現代においても、最後の決め手は人の五感に委ねられている。餡の粘度、沸騰する泡の弾け方、木べら越しに伝わる抵抗。職人は「豆の状態は天候や収穫期で毎日違う。数値化できない手応えを掌で掴み取るしかない」と、湯気越しに語った。火力を落とすタイミングひとつで、羊羹の口どけや後味のキレは劇的に変わる。釜から放たれる圧倒的な熱量の前で、五百年磨き抜かれた技術が息をのむほど精緻な所作として現前していた。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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