「人の上に人を造らず」は平等論ではない?福沢諭吉が暴いた格差の真実
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勉強さえすれば誰でも豊かになれるのかといえば、福沢諭吉の教えはそれほど単純ではありません。福沢が何より警戒したのは、実生活の役に立たない観念論や形骸化した知識ばかりを詰め込む「虚学(きょがく)」でした。慶應義塾大学福澤研究センターが保管する当時の草稿や記録からも、彼が徹底して現場主義・合理主義を重んじていたことが窺えます。
明治初期に人口約3,500万人だった日本において、『学問のすすめ』は全17編を合わせて約340万部もの驚異的な発行部数を記録しました。単純計算でおよそ10人に1人が手にしたこの大ベストセラーが伝えたかったのは、まさに実学のすすめと学歴格差に直結する合理的な知恵でした。福沢が求めた学問像と、当時の旧弊な学問観の違いを整理したのが以下の比較表です。
表を見れば明らかなように、福沢が推奨したのは机上の空論ではなく「飯を食うための知恵」でした。封建社会が崩壊したばかりの明治初期において、身分制度の殻に閉じこもり過去の権威にしがみつく旧士族層を、福沢は「文字を知るだけの飯食い虫」と手厳しく批判したのです。