なぜラ行変格活用は4語だけ?理由と覚え方・識別法を徹底解説
なぜラ行変格活用は4語だけ?理由と覚え方・識別法を徹底解説について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。
高校の古文文法で学ぶ動詞の活用種別は全9種類存在しますが、その中で該当する動詞が極端に少ないのが「変格活用」と呼ばれるグループです。なかでもラ行変格活用(ラ変)に属する基本動詞は、以下の4語しか存在しません。
- あり(存在する、生きている、ある)
- をり(座っている、じっとしている、いる ※「居+あり」が語源)
- はべり(お仕えする、控えている、侍る/〜でございます ※「侍(はひ)+あり」が語源)
- いまそかり(いらっしゃる、おいでになる ※「居(い)+ます+がり(あり)」が語源、表記ゆれで「いますがり」「いましかり」とも)
なぜこれほど広大な日本語の語彙の中で、たった4語しかラ変活用をしないのか。その理由は、日本語の歴史的変遷と音韻構造にあります。言語学的な分析において、「をり」「はべり」「いまそかり」の3語はいずれも基幹動詞「あり」に他の語が融合してできた複合語であることが分かっています。つまり、実質的には「あり」という単一の語根体系とその派生語だけが、古代日本語の特殊な活用形態を保存したというのが歴史的事実です。
古代の日本語において、「物や人の存在」を示す動詞は日常会話で圧倒的な使用頻度を誇っていました。頻繁に使われる基本語ほど、時代の変化に伴う規則化(四段活用などへの統合)の波に抗い、古い文法規則を化石のように残す傾向があります。英語における不規則動詞「be動詞」が特異な活用を残しているのと全く同じ言語現象が、日本語の「ラ変」でも起きていたのです。