なぜ痰が出るのか?風邪以外の原因と色別の危険信号【医師取材】
なぜ痰が出るのか?風邪以外の原因と色別の危険信号【医師取材】の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
息を吸い込むとき、空気中には目に見えない無数の細菌、ウイルス、花粉、ハウスダスト、タバコの煙などの異物が漂っています。これらが肺の奥深くへ侵入するのを防ぐため、気管や気管支の内側を覆う粘膜には「杯細胞(はいさいぼう)」や気管支腺と呼ばれる分泌組織が存在し、粘液のバリアを張り巡らせています。
外界からの有害物質が気道に付着すると、粘膜表面にびっしりと生えている微細な「線毛」が1秒間に十数回という猛烈なスピードで波打つように動き、異物を粘液で包み込みながら喉の方向へと押し戻します。この異物をからめ取った分泌物の塊こそが「痰(喀痰)」です。
過剰な分泌物が気道内に溜まると、気管の受容器が刺激されて「咳嗽反射(がいしゅんはんしゃ)」、すなわち咳が誘発されます。つまり、痰が出るという現象は、呼吸器を守るための精緻な自衛システムが正常に稼働している証拠にほかなりません。問題は、その分泌が「何に対して」「どの程度激しく」起きているかという点にあります。