七代目尾上菊五郎の現在と家族の肖像|人間国宝が繋ぐ音羽屋の芸道

七代目尾上菊五郎の現在と家族の肖像|人間国宝が繋ぐ音羽屋の芸道の主要なニュースをコンパクトにまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

七代目尾上菊五郎の役者人生において、代名詞とも言える最大の当たり役が『青砥稿花紅彩画(あおとぞうし はなの にしきえ)』、通称『弁天小僧』です。武家娘に化けて呉服屋の浜松屋をゆすり、正体を暴かれた瞬間に男の地声を露わにする名場面の台詞「知らざあ言って聞かせやしょう」は、歌舞伎史上に残る名演として広く知られています。

自著や当時の特番インタビューにおいて、七代目は役作りについて次のように述懐しています。

「弁天小僧は単なる悪党ではなく、どこか哀しさや若さゆえの無軌道さを持った人間。形ばかりを真似て声を張り上げても、江戸の粋や風情は出ない。型を身体の芯まで染み込ませた上で、舞台の上では型を忘れ、その人物として呼吸することが大切なんです」

また、『魚屋宗五郎』で見せる、酒を断っていた実直な男が次第に酒に呑まれ、無念の怒りを爆発させていくグラデーションの芝居や、『盲長屋梅加賀見(髪結新三)』の新三に見せる小気味よい悪辣さと色気は、他の追随を許しません。SNSや劇評コミュニティでも「菊五郎の世話物を観ると、江戸の町人の息遣いや路地の匂いまで伝わってくる」「年齢を重ねても色気が褪せない」といった絶賛の声が絶えません。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest