時は来たそれだけだの真相|橋本真也の名言と蝶野が笑った理由を追う
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放送当時、プロレスファンの間では「蝶野は相手への怒りで顔を歪めていたのではないか」「極度の緊張でトランス状態に陥っていたのでは」といった憶測も飛び交いました。しかし、後年のインタビューやバラエティ番組、自身のYouTubeチャンネルで蝶野正洋本人が語った笑った理由の真相は、ファンの予想をはるかに超える人間味あふれるものでした。
蝶野の証言によると、控室に入る直前、橋本は並々ならぬ自信を漂わせながら相棒にこう耳打ちしていたといいます。
「蝶野、マイクは俺に任せておけ。猪木と坂口を震え上がらせる凄いセリフを考えてあるからな」
普段から情熱家で大言壮語しがちな橋本のことですから、蝶野は「どれほど長広舌なアピールや過激な挑発が飛び出すのだろう」と身構え、息を呑んで隣で見守っていました。ところが、実際にマイクを向けられた橋本の口から飛び出したのは、わずか数秒、俳句のように短い「時は来た!それだけだ」のワンフレーズのみでした。
蝶野の回顧録や特番インタビューでは、当時の心理が赤裸々に語られています。
「『それだけかよ!』って心の中で激しいツッコミが入っちゃったんですよ。あんなに大見得を切って『俺に任せろ』と言っていたのに、出てきた言葉がたったの一行。しかも本人はものすごいドヤ顔でカメラを睨みつけている。そのギャップのおかしさに直撃されて、吹き出しそうになるのを必死に噛み殺すしかありませんでした」
笑いを堪えきれなくなった蝶野は、瞬時に画面から顔を背け、下を向いて口元を手で押さえました。その後、なんとかプロレスラーとしての威厳を保つため、「よし、行くぞオラァ!」と怒号を上げて気合いを入れ直し、無理やり空気を引き締めてリングへと向かったのです。これが、世紀の名言とセットで語り継がれる「蝶野の笑い」の紛れもない真実でした。