大分・玉来ダムの現在と治水効果|なぜ水がない?流水型の秘密と見学情報

大分・玉来ダムの現在と治水効果|なぜ水がない?流水型の秘密と見学情報の背景について、専門知識を詳しくお届けします。

大野川水系の上流部に位置する大分県竹田市に鎮座する玉来ダムは、堤高52.0メートル、堤頂長222.0メートル、総貯水容量約409万立方メートルを誇る重力式コンクリートダムです。運用が本格化している現在、竹田市街地を水害の脅威から守る「最後の砦」として極めて安定した治水機能を維持しています。

玉来ダムの最大の特徴は、常時水を貯留する一般的なダムとは異なり、堤体の最下部にゲートのない開口部(流水孔)が設けられた「流水型ダム(通称:穴あきダム)」である点です。平常時、玉来川の水は何の障害もなくこの穴をすり抜けて下流へと流れていきます。

この構造には、土木工学および生態系保全の観点から極めて合理的な3つのメリットが存在します。

  • 土砂の堆積を防ぐ:川の上流から流れてくる土砂がダム湖に溜まることなく下流へ運ばれるため、ダムの寿命(有効貯水容量)が半永久的に維持される。
  • 水生生物の遡上・生態系を分断しない:平常時は川本来の水位と流速が保たれるため、魚類をはじめとする河川生態系への影響を極限まで抑えられる。
  • 水質悪化(アオコや富栄養化)が発生しない:長期間水を滞留させないため、水温変化や水質の濁りが生じず、清流の美しさが保たれる。

洪水が発生して上流からの流入量が穴の排水能力を超えた瞬間にのみ、堤体の背後に水が自然と溜まり始め、下流への流出量を一定以下に絞り込む設計となっています。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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