日本自動車博物館の全貌|500台の名車と世界のトイレの真相
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日本自動車博物館のレビューやSNSの口コミを見ると、自動車ファンのみならず一般の観光客から絶大なリアクションを集めているのが「世界のトイレ」です。館内の各フロアに配置された化粧室には、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、オーストリア、イタリアなど、世界15カ国・約40個のユニークな便器が設置され、そのすべてが現在も一般来館者が実際に利用できる設備として稼働しています。
なぜ自動車の殿堂にこれほど本格的な外国製トイレが並んでいるのか。一見すると風変わりなユーモアに見えますが、その背景には創設者・前田彰泰氏の深い計算とおもてなしの哲学がありました。
博物館が小松市の現在地に移転・新築された際、前田氏は「車好きの男性だけでなく、一緒に訪れる女性や子ども、家族全員が心からリラックスして過ごせる空間にしたい」と構想しました。当時、まだ日本の公共施設や観光地では洋式トイレの普及やデザイン性への配慮が遅れていた時代です。前田氏は世界中から名車を買い付ける傍ら、各国の衛生陶器の美しさや機能性に着目し、一流メーカーの便器を直接輸入して館内に組み込みました。
「車の鑑賞で歩き疲れたあと、トイレに入った瞬間にもう一度驚きと楽しさを感じてもらいたい」というホスピタリティ精神は、現代の体験型ツーリズムの先駆けと言えます。便器ごとに異なる色使い、便座の形状、水の流れ方まで文化の違いを肌で体感できるこの試みは、名車鑑賞と並ぶ同館の強烈なアイデンティティとなっています。