トライやるウィークの全貌|兵庫の中2が挑む5日間の意義とリアル
トライやるウィークの全貌|兵庫の中2が挑む5日間の意義とリアルの重要ポイントを解説します。専門的な知識が詰まっています。
兵庫県教育委員会が推進する「トライやる・ウィーク」の根本にあるのは、阪神・淡路大震災からの復興過程で再認識された「地域の絆」と、1990年代後半に深刻化した青少年の心の荒廃への危機感です。子どもたちに「生きる力」を育み、学校・家庭・地域が一体となって心豊かな人間性を育てる総合的プログラムとして、1998年度に県下全域で本格スタートしました。
他自治体の職場体験が1日〜2日程度の見学中心であるのに対し、兵庫県が連続5日間(約30〜40時間)という異例の長さにこだわるのには明確な理由があります。初日の緊張と戸惑い、2日目・3日目の失敗と疲労、4日目の慣れと自発的な工夫、そして最終日の達成感と別れの寂しさ――この感情の起伏と試行錯誤のプロセスこそが、思春期特有の心理的成長に欠かせないからです。
対象が「中学2年生」に設定されている点も極めて戦略的です。1年生の環境適応期を過ぎ、3年生の高校受験プレッシャーが本格化する直前のこの時期は、自意識が急速に発達し「自分は何者か」「社会とどう関わるべきか」という問いに直面します。教室内の序列や友人関係の固定化から一時的に離れ、実社会の現場で汗を流す経験は、自己肯定感を再構築する決定的な契機となっています。