恐竜ではない?フタバスズキリュウの真実と38年越しの新種認定秘話
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一般向けの図鑑やメディアでは「日本の恐竜」と大括りに紹介されがちですが、古生物学上の厳密な定義においてフタバスズキリュウは恐竜ではありません。恐竜とは「骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)に穴が開き、脚が胴体の真下に直立して伸びる陸上棲息の主竜類」を指します。一方、フタバスズキリュウは手足をオール状のヒレへと変化させ、海洋生活に完全適応した首長竜(海棲爬虫類・プレシオサウルス類)に分類されます。
首長竜の最大の特徴は、体長の半分近くを占める長い首と、前後に備わった大きな鰭脚(ききゃく)です。白亜紀後期の海において、フタバスズキリュウはこの柔軟な首をしならせながら魚類やアンモナイトなどを捕食していたと考えられています。太古の海を支配していた姿はまさに海の王者と呼ぶにふさわしい威容を誇っていました。
かつて「日本の白亜紀地層から大型爬虫類の全身化石など出るはずがない」と学会で信じられていた定説を根底から覆した点において、生物学的分類の違いを超えた歴史的パラダイムシフトをもたらしたのです。