沖ノ鳥島はずるい?中国の批判理由と日本が巨額を投じる真の狙い
沖ノ鳥島はずるい?中国の批判理由と日本が巨額を投じる真の狙いとは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
沖ノ鳥島が水没の危機に瀕したのは、昭和末期のことでした。激しい波浪による浸食と地球温暖化に伴う海水面上昇により、2つの小島が波に削られ、満潮時に海面下に沈んでしまえば、国際法上の「島」としての地位を完全に失う恐れが生じたのです。
日本政府は1987年から1993年にかけて第1期の本格的な護岸工事を実施しました。荒波が打ち寄せる絶海での工事は困難を極め、総工費は約285億円に達しました。現地の東小島と北小島の周囲に消波ブロックを敷き詰め、外周を強固なコンクリート製擁壁で囲む巨大なドーム状構造物が完成しました。
しかし、過酷な海洋環境は鉄筋コンクリートをも容赦なく劣化させます。激しい塩害と波の衝撃から自然の岩肌そのものを守るため、防衛技術や宇宙工学にも用いられる超高耐食性の「特注チタン製金網(チタンネット)」が特注で開発され、岩肌全体を覆うように張り巡らされました。錆びず腐食しないチタンを採用することで、半永久的に原形を保持する技術的工夫が施されています。
さらに現在では、物理的な護岸工事にとどまらず、生物学的なアプローチによる「島の自己再生」プロジェクトが進められています。水産庁を中心に、現地の環境に適応したサンゴの幼生を大量増殖させ、環礁内に移植してサンゴ礁そのものを成長させる取り組みが継続されています。自然の力で礁高を維持・拡大させるこの試みは、世界最先端の海洋保全技術として国際的にも注目を集めています。