オートリバースはなぜ音質劣化と評されたのか?カセット名機の真実と構造

オートリバースはなぜ音質劣化と評されたのか?カセット名機の真実と構造について見逃せない 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

オートリバース機能が登場した当時、オーディオファイルが最も懸念したのは高音域の抜けの悪さと位相の乱れでした。その根本原因は、テープの走行方向が切り替わる際に生じる「オートリバース アジマス狂い」にあります。

カセットテープの録音・再生において、磁気ヘッドのギャップ(隙間)とテープの走行方向は、完全に垂直(90度)でなければなりません。この角度の整合性を「アジマス」と呼びます。しかし、カセットテープ 両面再生を行う際、往路(A面)と復路(B面)ではテープの走行軌道がミクロン単位で微妙にズレてしまいます。カセットハーフ(プラスチックのケース)内部のガイドの精度の限界や、左右のピンチローラーの巻き込み圧の違いが影響するためです。

アジマスがわずか数分(1度の60分の1)傾くだけで、10kHz以上の高周波信号は急激に打ち消し合い、音がこもって聞こえます。片道専用のワンウェイ機であれば一度完璧に追い込めば狂いにくい角度が、リバース機では「往路では合っているが復路で狂う」というジレンマに直結しました。これが、カセットデッキ 音質 違いとしてオーディオファンの耳に明確な差となって現れた本質的な理由です。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest