平均血圧の正しい求め方とは?足して2で割る誤解と看護現場の基準値
平均血圧の正しい求め方とは?足して2で割る誤解と看護現場の基準値とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
平均血圧の変動は、人体の循環器系が発するSOSのシグナルです。心臓が拍出する血液の量(心拍出量:CO)と、末梢血管が血液の流れを妨げる抵抗力(全末梢血管抵抗:SVR)の掛け算によって規定されるため、どちらかのバランスが崩れることで数値が激しく上下します。
平均血圧 高い 原因|末梢血管の収縮と体液過剰の危険信号
平均動脈圧が105〜110mmHgを超えて持続的に高止まりしている場合、体内で以下のような病態が進行している疑いがあります。
- 全身の末梢血管抵抗の増大:交感神経の過剰な興奮、慢性的なストレス、寒冷刺激、あるいは原発性高血圧に伴う細動脈の攣縮によって、血管抵抗が跳ね上がっている状態です。
- 循環血漿量の増大:過剰な塩分摂取や腎機能障害により体内にナトリウムと水分が貯留すると、心拍出量が増加し平均血圧を押し上げます。
- 動脈硬化の進行:太い血管のしなやかさが失われ、心臓の拍出圧がダイレクトに抹消へと波及することで、組織に過剰な負荷がかかり続けます。
平均血圧の異常高値は、脳出血や大動脈解離といった致死的な血管破綻のリスクを直接高めるため、早急な降圧管理が求められます。
平均血圧 低い 理由|循環不全と臓器虚血の切迫サイン
反対に、平均動脈圧が65mmHgを下回る状況は、臨床現場において極めて緊迫した事態を意味します。主な要因としては次の事象が挙げられます。
- 循環血液量の絶対的不足(循環血液量減少性ショック):外傷による大量出血、重度の脱水、重篤な熱傷などにより、血管内のボリュームそのものが枯渇しているケースです。
- 血管の異常拡張(血液分布異常性ショック):重症感染症に伴う敗血症や、アナフィラキシー反応によって血管透過性が亢進し、全身の細動脈が異常に拡張して末梢抵抗が激減する事態です。
- 心ポンプ機能の低下(心原性ショック):広範な心筋梗塞や重症心不全により、心臓が十分な血液を送り出せなくなっている状態です。
MAPが60mmHgを割り込むと、特に毛細血管圧に依存している腎臓糸球体の濾過機能が急速に停止し、乏尿から急性腎不全へと直結します。血圧低下の背後にある根本病態を見極め、輸液なのか昇圧剤なのか、原因療法を即時選択しなければなりません。