世紀末とは本来どんな意味?なぜ「荒廃とカオス」の象徴になったのか

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世紀末という言葉が暗い影や退廃的なニュアンスを帯びた原点は、19世紀末(1890年代)のヨーロッパにあります。フランス語で「世紀末」を意味する「フィン・ド・シエクル(Fin de siècle)」は、単なる時期の区分を超えて、当時のヨーロッパ全土を覆った独特の精神風潮を指す言葉として定着しました。

当時の欧州は、産業革命によって物質的な繁栄を極めていた一方で、過度な合理主義や資本主義への幻滅が広がっていました。「この繁栄の先には破滅が待っているのではないか」という集団的な不安が広がり、厭世観や虚無感、官能と死への執着を特徴とする世紀末デカダンス(退廃主義)が開花します。

とりわけオーストリアの首都で花開いた「世紀末ウィーン」の文化は象徴的です。画家グスタフ・クリムトやエゴン・シーレ、精神分析学者ジークムント・フロイトらが活躍し、死とエロス、人間の深層心理を抉り出す作品が次々と生み出されました。合理主義の限界に直面した当時の知識人たちの間に蔓延した「世紀末思想」こそが、言葉に深い影を落とす最初の契機となったのです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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