森進一『冬のリヴィエラ』誕生秘話|大滝詠一と紡いだ名曲の真相

話題沸騰中の 森進一『冬のリヴィエラ』誕生秘話|大滝詠一と紡いだ名曲の真相について、多角的な視点をご紹介しています。

松本隆による歌詞の美しさと深遠さも、この楽曲を不朽の名作たらしめている重要な要素です。冒頭の印象的なフレーズ「彼女によろしく伝えてくれよ」から始まる物語は、未練を引きずりながらも潔く身を引く男のハードボイルドな旅立ちを描いています。

そもそも「リヴィエラ」とはどこを指すのか。地理的には、イタリア北西部のリグーリア海岸からフランス南東部のコート・ダジュールへと続く地中海沿岸の一大リゾート地を意味します。夏には世界中から富裕層が集まり太陽と青い海に酔いしれる華やかな場所ですが、冬になると人影もまばらになり、冷たい海風が吹き抜ける静寂の地へと一変します。

松本隆は、あえてその「冬のリヴィエラ」を舞台に選びました。夏の喧騒(かつての甘い恋愛や青春)が去り、冷え切った冬の街でコートの襟を立てながら貨物船を見送る男の孤独。情念をぶつけ合うウェットな演歌の世界観とは対極にある、乾いた別れの美学(ダンディズム)が見事に描かれています。愛する女性に直接別れを告げるのではなく、共通の友人に「よろしく伝えてくれ」と言い残して一人旅立つ姿は、相手の幸福を願い自ら傷を引き受ける大人の引き際そのものです。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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