トルコは何アジア?西アジアと欧州の狭間、境界の真実を徹底解説
トルコは何アジア?西アジアと欧州の狭間、境界の真実を徹底解説の背景について、専門知識を基に徹底解説します。
ネット上や日常会話で頻繁に混同されるのが、「西アジア」と「中東」という用語の使い分けです。トルコはこの文脈において、きわめて特異な立ち位置を占めています。
「西アジア」が純粋な自然地理学に基づくエリア区分であるのに対し、「中東(Middle East)」は20世紀初頭に欧米の軍事・外交戦略の視点から生まれた地政学的概念です。西アジアの国一覧を見渡すと、以下のような顔ぶれが並びます。
- アラビア半島周辺:サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、オマーンなど
- 肥沃な三日月地帯周辺:イラク、シリア、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、イスラエル
- 非アラブ系の主要国家:トルコ、イラン
国際政治においてトルコは「中東の一角」として扱われる場面が多々あります。しかし、トルコ国民に対して安易に「中東の人」「アラブ人」と決めつけると、強い反発を受けるケースが珍しくありません。なぜなら、トルコ人の大半はテュルク系民族であり、母語はトルコ語(チュルク諸語)だからです。アラビア語を母語とするアラブ諸国とは民族的・言語的に明確な一線を画しています。
さらに、トルコはイスラム教徒が人口の9割以上を占めるものの、建国の父ムスタファ・ケマル・アタテュルク以来、国家の基本原則として政教分離(世俗主義=ラシスム)を憲法に明記してきました。イスラム法(シャリア)を国家運営の根幹に据える周辺の中東産油国とは、法制度も社会構造も根本から異なります。