三島由紀夫と美輪明宏の知られざる深き絆:名作黒蜥蜴の舞台裏

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二人の美的交響曲が最も濃密に結実した作品こそ、戯曲『黒蜥蜴』である。江戸川乱歩の同名推理小説を三島由紀夫が戯曲化した本作は、美輪明宏(当時・丸山明宏)を主役に据えることを前提に書かれたと言っても過言ではない。

舞台の準備期間中、二人の間で交わされた会話は、まさに美学と情念が交錯する火花そのものだった。「君の美しさは毒だ。その毒で客席を麻痺させてくれ」。三島が熱っぽく語りかけると、美輪は不敵な笑みを浮かべてみせたという。稽古場で三島は、美輪の立ち振る舞いや声の抑揚一つひとつに徹底したこだわりを見せ、客席に緊張感が漂うほどの熱量で演出に向き合った。

千秋楽の夜、楽屋を訪れた三島は大成功を収めた美輪に対して深紅の花束を手渡し、「君は僕の作った最高の芸術品だ」と囁いた。この言葉に対し、美輪は「私はあなたの操り人形ではありません。私自身が光る星なのです」と返したとされる。互いの才能を高く評価しながらも、決して相手に屈しない強い自我が生み出したこの衝撃のやりとりは、伝説の一幕として語り継がれている。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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