上体起こし廃止論の決定打|腰痛リスクと新体力テストで勝つ裏ワザ
上体起こし廃止論の決定打|腰痛リスクと新体力テストで勝つ裏ワザに関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。
かつて腹筋運動の代名詞だった上体起こしに対し、なぜこれほど強烈な逆風が吹いているのか。その引き金を引いたのは、国内外のバイオメカニクス研究と医学会による明確な科学的データです。
日本整形外科学会や日本臨床スポーツ医学会などの専門機関は、膝を曲げた状態であっても上体起こし動作を反復することで、腰椎および椎間板に約3,000ニュートン(約300kg相当)を超える過大な圧縮応力が加わると指摘しています。動作の後半で背中を大きく持ち上げる際、主働筋となるのは腹筋(腹直筋)ではなく、骨盤と大腿骨をつなぐ「腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)」です。この筋肉が強く収縮すると、腰椎を前方へ強く引っ張るせん断力が発生し、椎間板ヘルニアや腰椎分離症の直接的な引き金になり得ることが解明されました。
この医学的エビデンスを受け、海外ではいち早く変革が断行されました。アメリカ軍(陸軍・海兵隊)やカナダ軍の体力測定では、従来のシットアップが廃止され、腰への負担が極めて少ない「プランク」や「インバーテッドロウ」へと移行。日本国内でも、スポーツ庁の調査研究において種目の妥当性が再検証され、学校現場では独自に測定を取りやめる自治体が相次いでいます。