肩の激痛は五十肩か腱板断裂か?ローテーターカフの真相と最新治療
肩の激痛は五十肩か腱板断裂か?ローテーターカフの真相と最新治療に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
日常の診察現場で最も頻繁に遭遇するのが、「五十肩(肩関節周囲炎)だと思って数カ月我慢していたら、腱板が完全に断裂していた」というケースです。両者は発症年齢(40〜60代)や「腕を上げると痛い」という主訴が酷似しているため混同されやすいですが、病態の根本は全く異なります。
最大の見分け方は「他人の手助けで腕が上がるかどうか(他動的可動域)」です。五十肩は関節を包む関節包全体が炎症を起こして縮み上がる「拘縮(こうしゅく)」が生じるため、他人が腕を持ち上げようとしてもロックがかかったように途中で固まり、上がりません。これに対し、ローテーターカフの損傷では、自力で腕を持ち上げる(自動運動)際には強い痛みや脱力感で上がらなくても、痛まない側の手や介助者が支えて持ち上げると、耳の横までスッと上がることが多々あります。
また、腕を真横から持ち上げていく際、60度から120度の角度でのみ強い痛みや引っかかりを感じ、それを超えるとスッと痛みが抜ける現象は「有痛弧徴候(ペインフルアークサイン)」と呼ばれます。これは肩甲骨の屋根(肩峰)と腕の骨の間で腱板が挟み込まれるインピンジメント症候群との関係が極めて深く、特にすき間を通過する棘上筋の痛みと原因に直結しています。骨のトゲ(骨棘)や加齢による腱の柔軟性低下が摩擦を悪化させ、腱の部分断裂を引き起こすのです。