なぜ都市だけ異常に暑い?ヒートアイランド現象の真相と熱帯夜の防衛策
なぜ都市だけ異常に暑い?ヒートアイランド現象の真相と熱帯夜の防衛策の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
都市の熱対策として行政が長年推進してきたのが、屋上緑化や壁面緑化の義務付け・助成制度です。東京都をはじめとする主要自治体では一定規模以上の建築物に対して緑化を義務付けており、オフィス街の屋上庭園は一見すると順調に増加しているように映ります。しかし、現場の維持管理や効果の実態を取材すると、単純な賛美だけでは済まされない構造的な課題が浮かび上がってきます。
大手ビル管理会社の担当者は、現場の過酷な現実を次のように語ります。「導入から数年が経過した屋上緑化で最も頭を悩ませるのが、夏場の極端な乾燥と維持コストです。屋上は強風と直射日光に晒されるため土壌が急速に乾燥し、十分な散水システムを常時稼働させなければ植物が枯死してしまいます。十分な水分がなければ植物の蒸散作用(気化熱による冷却)はストップし、単なる乾いた土の塊となって熱を溜め込んでしまうケースすらあります」。
ネット上のコミュニティやSNS上でも、実生活における悲痛な声が散見されます。
「ベランダが狭い賃貸マンションで、隣の部屋と上下階の室外機から出る熱風が充満し、窓を開けることすらできない」
「駅前再開発で近代的な広場ができたが、石畳とガラス張りのビルに囲まれて照り返しが酷く、以前の古びた商店街の路地よりも圧倒的に暑い」
点として存在する個々の緑地だけでは、面として広がるアスファルトと膨大な人工排熱の圧倒的なエネルギーを打ち消すには至っていません。景観形成としての緑化と、都市気候を真に冷却するための「風の通り道」や水循環を意識した都市デザインとの間には、依然として埋めがたいギャップが存在しています。