「会う」の尊敬語は「お目にかかる」?誤用を防ぐ正しい使い分けと例文

「会う」の尊敬語は「お目にかかる」?誤用を防ぐ正しい使い分けと例文の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

ネットの知恵袋やSNSで時折話題に上るのが、「『会われる』は二重敬語だから間違いなのか?」という議論です。文法的な見地からこの疑問を分解すると、明確な答えが見えてきます。

まず、「会う」に尊敬の助動詞「れる」を接続させた「会われる」は二重敬語ではありません。1つの動詞に対して1つの敬語要素しか付加されていないため、文法的には完全に適法です。しかし、ビジネス現場の実務において「会われる」を積極的におすすめしない理由が2点あります。

第1に、「れる・られる」による尊敬表現は、他の尊敬形式(お〜になる)に比べて敬意の度合いが一段低く感じられるという心理的傾向があるためです。第2に、「会われる」という言葉は、前後の文脈によって「受身(誰かに会わされた)」や「自発」と誤認されるリスクを孕んでいます。相手にクリアな敬意を伝えたい場面では、「会われる」よりも「お会いになる」を選択するほうが、聞き手にとってストレスのない洗練された響きになります。

一方で、警戒すべき本物のミスは「お会いになられる」という二重敬語です。これは「お〜になる」という尊敬語の型に、さらに尊敬の助動詞「られる」を重ねてしまった過剰敬語の典型例です。現代のビジネス社会では過剰敬語に対して過度に神経質になる必要はないとする寛容論もあるものの、人事担当者や年配の役員層には「言葉遣いに落ち着きがない」「無駄に装飾的でくどい」というネガティブな印象を与えかねません。シンプルに「お会いになる」で留めるのが、知的で引き締まった表現の定石です。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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