菅田将暉の原点『仮面ライダーW』フィリップ役の真実と再演の行方
今注目を集めている 菅田将暉の原点『仮面ライダーW』フィリップ役の真実と再演の行方について、多角的な視点をご紹介しています。
『仮面ライダーW』最大の魅力は、ハードボイルドに憧れる「ハーフボイルド(半熟)」探偵・左翔太郎と、脳内に膨大な知識を持ちながら一般常識に疎いフィリップという、対照的な二人のバディ関係です。
現場では、当時24歳ですでに舞台や映像経験のあった桐山漣が、16歳で右も左もわからない菅田将暉のメンター(良き兄貴分)として支え続けました。8歳の年齢差がありながらも、桐山は菅田を一人の対等な表現者として尊重し、演技指導が厳格で知られる田﨑竜太監督や坂本浩一監督の要求に二人で食らいつきました。
「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」というフィリップを象徴する名言や、二人の息が完全に一致しなければ成立しない変身ポーズは、過酷な撮影現場で培われた濃密な信頼関係から生まれた産物です。劇中の翔太郎とフィリップのように、実生活でも互いの足りない部分を補い合いながら、本物の「二人で一人」の関係性を築き上げていきました。
最終回(第48話・第49話)の涙に見る魂の共鳴
ファンの間で今も平成ライダー屈指の名エピソードとして語られるのが、第48話「残されたU/悪魔残した28ばん」から最終回にかけての展開です。肉体を失い消滅することが確定したフィリップが、翔太郎と共に最後の変身(サイクロンジョーカーエクストリーム)を遂げる場面では、台本上の芝居を超えた二人の本物の涙がカメラに収められました。
菅田将暉自身も後年のインタビューや手記で「あの現場で芝居の楽しさと怖さ、感情が溢れ出る感覚をすべて教わった」と述懐しており、フィリップの消滅と再生のドラマは、俳優・菅田将暉の感情表現の原風景となっています。