ヤスデとムカデの決定的な違いは?毒性や足の数・危険度をプロが解説

ヤスデとムカデの決定的な違いは?毒性や足の数・危険度をプロが解説について知っておくべき 注意点を厳選して解説いたします。

インターネットの掲示板やSNSでは「ヤスデに噛まれて腫れ上がった」といった誤認情報が散見されますが、これは昆虫学的に明確な誤りです。両者の加害メカニズムは根本から異なります。

ムカデは、顎肢(がくし)と呼ばれる第1胴節の足が変化した毒牙(どくが)を持っています。獲物を捕らえる際や身を守る際、この毒牙を皮膚に突き刺し、毒腺から強力な毒液を注入します。ムカデ毒には、組織破壊を引き起こすヒアルロニダーゼやプロテアーゼのほか、セロトニン、ヒスタミンといった発痛性物質が濃密に含まれています。刺された瞬間に焼き火箸を押し当てられたような激痛が走り、患部は広範囲に赤く腫れ上がり、アナフィラキシーショックを引き起こす危険性さえあります。

一方、ヤスデは落ち葉や枯れ草を食べる温和な分解者であり、人間を攻撃する武器を持たないため「不快害虫」に分類されます。しかし、「完全無害」と油断して素手で触ったり踏み潰したりするのは危険です。ヤスデの側胴表面には臭腺(しゅうせん)と呼ばれる分泌器官が無数に存在し、危険を感知すると自己防衛のために強烈な刺激臭を放つ防御液を一斉に放出します。

この体液には、ベンゾキノン類を中心に、青酸配糖体、アルデヒド化合物などの有機化学物質が含まれています。独特の薬品臭・青臭い異臭を放つだけでなく、皮膚に直接触れると黄褐色の色素沈着や化学熱傷に似た水疱・皮膚炎を引き起こします。特に幼い子どもが誤って口に入れたり、ヤスデを触った手で目を擦って角膜炎を起こしたりする事故は実際に報告されており、直接手で触れる行為は厳禁です。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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