増減表の書き方を完全攻略!符号判定と矢印の罠を防ぐ解法の極意
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教科書の基本例題を脱出し、入試実戦レベルに進むと、単なるプラス・マイナスの交互反転では対応できない「落とし穴」が出現します。その筆頭が4次関数の増減表における重解の扱いです。
重解を持つ導関数と「符号が変わらない」現象
例えば、$f'(x) = 4(x-1)^2(x+2)$ のように導関数が2乗の因数(重解)を持つケースを考えます。通常の3次関数では境界を越えるごとに符号が交互に反転($+\rightarrow -\rightarrow +$)しますが、重解を持つ箇所(この場合は $x = 1$)では、グラフが $x$ 軸に接するため符号が変化しません。つまり、$x < 1$ で正、$x > 1$ でも正のまま推移します。
この場合、増減表の矢印は「$\nearrow$ の後に再び $\nearrow$」となり、接線の傾きが瞬間的に $0$ になるものの、極値にはなりません。「$f'(x) = 0$ となる点=極値」と機械的に丸暗記している学習者は、ここで確実に罠に落ちます。必ず導関数のグラフの概形を描き、軸との接触状態を目視確認する習慣が不可欠です。
数学IIIで必須となる「2階微分」と「変曲点・凹凸」の完全整理
理系大学を受験する上で避けて通れないのが、数学III変曲点と凹凸を組み込んだ増減表です。ここでは導関数 $f'(x)$ に加え、二次導関数と変曲点を調べるために $f''(x)$(2回微分)を導入し、表は4段構成へと拡張されます。
受験生が最も混乱するのが、増減表斜め矢印の書き方です。数学IIまでは単純な直線的斜め矢印「$\nearrow$」「$\searrow$」で済みましたが、数学IIIではグラフの「曲がり具合(凸凹)」を正確に表現するため、カーブを描く特殊な矢印を用いるのが標準的です。
- $f'(x) > 0$ かつ $f''(x) > 0$:下に凸で増加(右肩上がりの下に膨らむ曲線 $\boldsymbol{\smile \hspace{-0.7em} \nearrow}$)
- $f'(x) > 0$ かつ $f''(x) < 0$:上に凸で増加(右肩上がりの上に膨らむ曲線 $\boldsymbol{\frown \hspace{-0.7em} \nearrow}$)
- $f'(x) < 0$ かつ $f''(x) > 0$:下に凸で減少(右肩下がりの下に膨らむ曲線 $\boldsymbol{\searrow \hspace{-0.7em} \smile}$)
- $f'(x) < 0$ かつ $f''(x) < 0$:上に凸で減少(右肩下がりの上に膨らむ曲線 $\boldsymbol{\searrow \hspace{-0.7em} \frown}$)
$f''(x)$ の符号が入れ替わる境界こそが「変曲点(曲線の曲がる向きが変わる点)」です。2階微分の役割を「接線の傾きの変化率」として正しく捉えることで、複雑な関数の挙動もクリアに整理できます。