シャンボール北新宿の住み心地と噂の真相|管理体制と資産価値を検証
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1981年5月以前の「旧耐震基準」で建てられたマンションを検討する際、誰もが一度は夢想するのが「将来的な建替えによる資産価値の跳ね上がり」です。ネット上でも建替え計画の有無に関する疑問が頻繁に交わされていますが、都市計画と区分所有法の冷徹な現実に目を向ける必要があります。
結論から申し上げれば、現時点でシャンボール北新宿に具体的な建替え計画が進んでいる事実はありません。これには構造的な2つの壁が存在します。第1に、区分所有法が定める「区分所有者および議決権の各5分の4(80%)以上の賛成」という合意形成のハードルです。総戸数129戸の中には、終の棲家として住み続ける高齢者、賃貸に出してインカムゲインを得ている不在オーナー、安価な住居費を求めて流入した単身者など、利害関係が完全に分断されています。
第2の壁は、容積率の余剰問題です。建替え事業を成功させるためには、既存の建物よりも大幅に容積率を増やして余剰住戸を外部へ分譲し、その売却益で既存所有者の建築費負担を相殺するのが通例です。しかし、本物件は既に15階建ての規模で建設されており、容積率に大きな余剰がありません。仮に建替えを強行した場合、区分所有者一人あたり数千万円単位の自己資金の持ち出しが発生するため、総会決議を通過させるのは極めて困難です。
したがって、本物件の資産価値を測る軸は「いつか建替わる」という他力本願の投機ではなく、「適切な大規模修繕を重ねて建物を60年、70年と延命させる長寿命化計画が機能しているか」という現実的な維持管理力に置くべきです。