大人の溶連菌を風邪と放置する危険!喉の激痛から迫る急性腎炎と後遺症

大人の溶連菌を風邪と放置する危険!喉の激痛から迫る急性腎炎と後遺症の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

喉の痛みを「市販薬と休養で乗り切ろう」と考える人は多いですが、溶連菌感染症における自然治癒のリスクは極めて甚大です。生体の免疫反応によって喉の激痛や発熱といった急性期の症状は数日で沈静化することがありますが、これは決して「治癒」を意味しません。原因菌であるA群β溶血性連鎖球菌が咽頭組織や扁桃に潜伏し続けると、抗原抗体複合体の形成や自己免疫反応の暴走を引き起こし、全身疾患へと発展します。

放置によって生じる代表的な病態が、感染から約1〜3週間の潜伏期間を経て発症する急性糸球体腎炎です。体内にとどまった溶連菌の抗原と生体防御で作られた抗体が結合し、血液をろ過する腎臓の糸球体に沈着。糸球体が目詰まりを起こして炎症を起こすことで、血尿やタンパク尿、全身のむくみ、急激な高血圧を引き起こします。自覚症状として「紅茶やウーロン茶のような茶褐色の尿が出た」「朝起きると顔が腫れぼったい」と気づいた時には、すでに腎機能が大幅に低下している事態も珍しくありません。

さらに警戒すべきは、感染から2〜4週間後に発症するリウマチ熱です。溶連菌に対する抗体が心筋や心臓弁の組織を誤認攻撃(分子相同性による自己免疫異常)し、心臓弁膜症という生涯にわたる後遺症を残す危険性を孕んでいます。国立感染症研究所などの疫学報告でも、小児期のみならず成人における溶連菌の不完全な治療が心血管系への深刻なダメージにつながる経路が指摘されています。

また、近年の感染症サーベイランスにおいてメディア等で大きく報じられた劇症型溶血性連鎖球菌感染症(STSS)との混同も見られます。通常の咽頭炎を引き起こす溶連菌がそのまま必ず劇症化するわけではありませんが、劇症型は手足の壊死や多臓器不全を急速に引き起こし、致死率が30%前後に達する極めて危険な感染症です。咽頭炎を軽視して体調悪化を見逃す下地を作らないためにも、初動での正確な鑑別が不可欠となります。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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