東京電力パワーグリッドは怪しい?点検訪問の真相と詐欺の見分け方
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「東京電力パワーグリッド」という名称を耳にした一般消費者が真っ先に抱く疑念は、「東京電力と何が違うのか」「新手の怪しい新電力会社ではないのか」という点に集約されます。しかし、同社は2015年4月に設立され、2016年4月の電力小売全面自由化に伴う発送電分離によって東京電力ホールディングスから送配電事業を継承した中核子会社です。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、および静岡県の一部の送配電網を地域独占体制で維持・管理する一般送配電事業者として、極めて公的な役割を担っています。
それにもかかわらず、ネット検索や口コミサイトでネガティブなキーワードが並ぶ背景には、次の3つの構造的な要因が重なり合っています。
第1に、発送電分離による一般消費者の認知ギャップです。家庭が電気の需給契約を結んでいる窓口は「東京電力エナジーパートナー」や各種新電力会社(小売電気事業者)です。一般市民が毎月目にする検針票やWeb明細には契約先の名しか記載されないため、送配電インフラを管理する「パワーグリッド」の名称に馴染みがなく、突然訪問されると「聞いたこともない怪しい会社が東電を騙っている」と錯覚してしまいます。
第2に、電気事業法に基づく「4年に1回の定期調査」やスマートメーター交換作業が実在するという点です。法令に基づき、送配電網の安全を守るために一般家庭の分電盤点検や外線検査が定期的に行われます。この公的な定期点検や機器更新が「事前の電話連絡なしの突然の訪問」として行われるケースが多いため、防犯意識の高まった住民との間で摩擦が生じやすくなっています。
第3に、最も深刻な要因として、この公的業務の枠組みを隠れ蓑にした悪質業者の跳梁跋扈が挙げられます。「東京電力エナジーサポート」「東電配電サービス」といった実在しない紛らわしい屋号を名乗ったり、パワーグリッドの委託員であるかのように装って住宅に上がり込み、高額な給湯器や太陽光・蓄電池設備を売りつける営業が頻発しています。本物の業務と偽装業者の手口が混同された結果、「東京電力パワーグリッド=怪しい」という風評が定着してしまったのが真相です。