分圧の求め方で挫折する理由とは?混合気体計算を即座に解くプロの鉄則
分圧の求め方で挫折する理由とは?混合気体計算を即座に解くプロの鉄則について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
大手模試の採点講評や受験生コミュニティ(受験掲示板やSNS上の自己採点速報)を分析すると、分圧計算の正答率が如実に急落する「2大トラップ」が浮き彫りになります。それが「飽和蒸気圧と全圧の複合問題」および「ヘンリーの法則との違いの混同」です。
盲点1:液体が残留するか?「飽和蒸気圧」の判定スキップ
模試で正答率が30%台まで落ち込む典型例が、水を注入した容器を加熱・冷却する問題です。蒸気圧の問題で失敗する受験生は、最初から「水蒸気の分圧=飽和蒸気圧」と決め打ちして計算を進めてしまいます。
気液平衡における大原則は、「まず水がすべて気体として蒸発したと仮定して仮想分圧 $P_{仮}$ を計算する」ことです。求めた $P_{仮}$ がその温度の飽和蒸気圧 $P_{飽和}$ を下回っていれば「全量気体($P_{水} = P_{仮}$)」であり、超えていれば「凝縮して一部が液体($P_{水} = P_{飽和}$)」になります。この二段階のチェックを怠ることが、共通テスト化学の第2問・第3問で見られる大量失点の直接的な引き金です。
盲点2:ヘンリーの法則における「分圧」との境界線
水などの溶媒に気体が溶け込む状況を扱うヘンリーの法則では、「気体の溶解量はその気体の分圧に比例する」という法則が働きます。ここでの盲点は、全圧ではなく「水面に接しているその気体の分圧」だけが溶解平衡に関与するという点です。
空気(窒素80%、酸素20%)を水に接触させた場合、水に溶ける酸素の量を求める際に全圧(例えば $1.0 \times 10^5 \text{ Pa}$)を掛けて立式するミスが多発します。正しくは酸素の分圧である $2.0 \times 10^4 \text{ Pa}$ を基準に計算しなければなりません。混合気体の分圧と溶液化学の接点は、国公立大学の二次試験でも頻出の識別ポイントです。